●そして、PULLING TEETHは97年に結成されます。
寿々喜 当時、心の奥底でAKIRAより絶対早く動いてやろうと思って。そしたら後日、あいつも「寿々喜さんより早く動こうと思ってた」って。やっぱりなって。
仁 ははははは。
●AKIRAさんが組んだALL LIVING THINGSより、PULLING TEEHTHの方が動き出すのは早かったですよね?
寿々喜 そうですね。
●それは負けたくないという気持ちから?
寿々喜 負けたくないというか、バンド浪人になっちゃうから。
●寿々喜さんにとってPULLING TEETHは4バンド目になるわけで、こういう音楽をやろうという明確なビジョンはあったんですか?
寿々喜 何かあったよね?
泰治 スタジオで「速いスラッシュをやりたい」と言ってたのを覚えてますね。
寿々喜 速いスラッシュだっけ? 俺は重いスラッシュと言った気もするけど。
泰治 とにかくスラッシュという言葉は出てましたね。最初のスタジオで俺とHIROSHIと当時ヴォーカル予定の奴がいたんですよ。
寿々喜 いたっけ? ああ~、あいつだ! いたなあ(笑)。
泰治 ほんとの最初は4人でスタジオに入って、寿々喜さんが「バンド名決めたんだよ、SPEED KILLSって言うんだよ!」って。ええー、マジっすか?!って。
●それはどっちのマジ、ですか?
泰治 ハァーって、そこはご想像におまかせします。
仁 わはははは。
泰治 それで寿々喜さんも同じことを思ったんでしょうね、「やっぱりあれはナシで!」って。それでPULLING TEETHというバンド名に決まったんじゃなかったでしたっけ?
寿々喜 うん、俺はクリフ・バートンが好きだったし、ギターの形もそこから由来してますからね。バンド名どうしようかな、あっ、クリフ・バートンのベースソロの曲名でいいかなって。そんな感じだったと思います。バンド名はどれだけパッと付けようと、深く考えようと、結局後から付いてくるものだから。そのうち知られるだろうって。
●4人でスタジオに入っていた頃は覚えてます?
寿々喜 4人でいたことなんて覚えてなくて、今言われて思い出しましたからね(笑)。スタジオに入ったのは1回ぐらいじゃない?
泰治 2回ぐらい入りましたね。
仁 何か違うなと思って、いなくなったんですか?
寿々喜 こんな歌なら、いらねえじゃん!って。誘っておいて(笑)。これだけ時間が経つと、思い出せないこともあるもんだなあ。
仁 はははは。
寿々喜 俺は勝手に3人で始めたもんだと思ってた。で、3人で始める上で思っていたことは、3人だとヴォーカルがいない分、一人ずつの責任の比重も増えるじゃないですか。俺も声を出さないといけないし、それで泰治にMCをまかせたんですよ。