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PULLING TEETH 7th full album -フッコーブシ- 2015.05.13 in stores!!


●「御命頂戴」の「パッパラ、パッパッパ〜♪」のコーラスも、従来のPULLING TEETHからも想像も付かなかったです。

寿々喜 ほんとビックリですよね? 自分でもビックリしましたもん。

●(笑)。

寿々喜 最初スタジオの個人練習で発声練習をやった時に、何となく「パッパラ、パッパッパ〜♪」という言葉が出てきたから、使っちゃおうかなって(笑)。

このフレーズ、めちゃくちゃいいですよね! あるのとないのと、どちらがいい?と聞かれて、ある方がいいと。

●怖い怖いと恐れられていた寿々喜さんから、こんな無邪気なコーラスが飛び出すとは・・・。

寿々喜 ロックは子供の頃に憧れて始めたものだから。常に子供でいられる部分がロックなんですよ。それで自分も無邪気になろうと。子供の頃に音楽をやって、楽しいという気持ちがずっとあるから、ここまで続けられるんですよ。もし、「御命頂戴」のMVを作るとしたら、みんなでお酒を飲んで、「パッパラ、パッパッパ~♪」と言って、それだけで終わりますよ。

それなら、いつもの飲んでる姿でいいじゃないですか(笑)。

●「此処にいるよ」は震災の曲ですね。

寿々喜 この曲はそうですね。それはいとこの兄さんの娘の話なんですよ。いとこの兄さんが探してる時に娘が浮いてきたらしくて。田んぼに自分の娘がいねえから、あちこち探し回って、一瞬だけ手が浮き上がって来たと。それでその辺を探したら、娘が出て来たんですよ。そういう歌です。だから、娘はここにいるよって。

●その話は本人から聞いたんですか?

寿々喜 本人からは聞けなかったですね。いとこの兄さんの娘の葬式があった時に、お婆さんからそういう話を聞いたんですよ。それがずっと頭から離れなくて・・・曲にしました。

●「オヤトコ」も自分の両親のことを歌った曲ですね。

寿々喜 自分の父ちゃんの歌ですね。自分も親になって、あの時に父ちゃんはこうだったのかなって、改めて噛みしめながら思い返せる曲で。大体、父ちゃんが亡くなった人は「寿々喜さん、いい曲だよ!」と言ってくれるんですよ。まさに演歌的な曲ですね。

スーさん(寿々喜)の歌詞は一方的じゃないからいいですよね。震災の歌詞を歌っても、それ以外の事柄にも当てはまると思うから。

●「オヤトコ」はお経みたいな歌い回しですね。

寿々喜 そうっすか! いい捉え方しますねえ。別の人からも「このお経みたいなパートが」と言われて、レコーディングの時にもエンジニアにお経っぽくしてくれと言ったんですよ。そしたら、お経っぽいと言ってくれる人が多いから・・・通じるものがありますね。お経もお坊さんによって違いますからね。3年前に父ちゃんが病で倒れて、その葬式の時にやってくれたお坊さんのお経にハマッて、すげえなと。PULLING TEETHの時の俺の声よりすげえなと。話は逸れますけど、俺の方を向いて、「葉加瀬太郎、好きなんですか?」と聞かれましたからね。

スーさん(寿々喜)の髪型を見て(笑)?

全員 ははははは。

寿々喜 ウチの母ちゃん側を見てくれるお坊さんだったから、仲が良かったのもあるんだけど。こんなシーンとしてる時に、ええっ!と思って(笑)。

●「世界のゴロツキ」のスキャット風のヴォーカルにも驚きました。

寿々喜 これは・・・ネタばらしになるから、やめておきます。ええと、小林亜星の・・・。

喋っちゃってるじゃないですか(笑)。

寿々喜 せっかくですから! 小林亜星のウィスキーのCMの曲がかっこいいなと思って、ユーチューブで探したら出てきて、ニッカのウィスキーだったかな。これは最後にできた曲なんですよ。後藤さんが殺される直前ぐらいに書いた歌詞だから、世界に向けた歌詞になってるんですよ。

●ずばり、世界平和ですよね。

寿々喜 うん、世界平和なくして、ロックンロールは成り立たないから。日本にいて、ああ、幸せだなと実感しますよ。イスラム国は楽器をぶっ壊して燃やしてるじゃないですか。それに比べて、日本は幸せだなと。しみじみ思いますね。

●それと、アルバム名でもある「フッコーブシ」は今作の中で一番好きですね。

寿々喜 ありがとうございます。最後にある「フッコーブシを」という歌詞を言いたくて、そのために作りました。歌詞の内容もバンドをやるために上野駅から夜行に乗り、震災に遭ってしまい、復興に少しでも役に立ちたい。そういう思いが込められた曲ですね。この曲に自分のほぼ30年が詰め込まれてます。

●寿々喜さんの地元「石巻」という言葉も歌詞に入ってますね。

寿々喜 語呂が合わなくて「故郷」に変えた歌詞もあるけど・・・故郷、親の思い出だったり、それこそ演歌的なアプローチだからこそなせる業だなと。声も普通に歌っているけど、よくできたと思いますね。

泰治 このアルバムは「フッコーブシ」で終わりなんですよね?

寿々喜 うん。

泰治 最後の3曲は・・・。

寿々喜 思いつき!

泰治 いやいやいや(笑)。

●既発曲を日本語詞で歌ったラスト曲は、ボーナストラックみたいな位置づけですか?

寿々喜 そうっすね。日本語にしたのは流れで、アレンジも2バスの速いものを入れたり、テンポも速くしてますからね。

泰治 ドラムも替わったから、仕上がりもまた違いますからね。

●「Awake」は「起きろ」という曲名に変更されて、そのまんまですね(笑)。

寿々喜 直訳なりの難しさがあるんですよ。日本語詞にチャレンジして、やりやすさと奥深さを学びましたね。今回はほんとに素の自分に戻って歌えた曲ばかりですね。

INTERVIEW BY 荒金良介